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アムステルダム(1) [旅行記録]

手元のスケジュール表の記録によると、1月23日の午後から2泊3日でアムステルダムに出かけた。

電車で行こうか飛行機で行こうか迷ったのだけれど、電車だと5時間半位かかるということで今回は飛行機で行くことにした(ヨーロッパにおいては、人々が電車を使うか飛行機を使うかの分かれ目は大体電車で4時間かかるかかからないかぐらいのところにあるらしい)。フライト時間は80分だし、パスポートコントロールもないので「国内線」な気分で乗ればいいと、出発時刻1時間前の空港でのチェックインを目指して家を出発。


果たして、マインツ中央駅で待っている我々のところにフランクフルト行きの電車が入ってくる。電車に乗り込んで座席に着くところまでは良かったのだが、5分しても10分しても出発する様子がない。ドイツ語で何やらアナウンスしているけれどもあまりよくわからないので、アイボーがその辺のおじさんを捕まえてどうなってるの?とたずねてみた。答えは「車両が不調なので故障部分を調査中らしい」とのこと。そのあと結局10分位して「車両故障のためこの列車はこれ以降運行しません。フランクフルト方面に行く人は次のSバーンに乗ってください」という。僕らが乗るつもりだった列車の次のSバーンは30分後だから、空港に着くのが飛行機の出発30分前ということになってしまうので、チェックインに間に合わない可能性が濃厚になってしまった。

でも、仕方がないから次のSバーンをまって空港に向かう。すると、ドイツバーンの係員が乗車券チェックに来た。Sバーンではめったにお目にかからないのだけれど、それじゃあ乗車券を見せなきゃといってコートのポケットをまさぐってもあるはずのチケットがない! 確かに買った筈なのに... ばたばたとあちこちのポケットをひっくり返して数分間探していたが結局見つからなかった。多分、故障して止まってしまった電車に乗ったときに、窓際のテーブルにでも置いたのだろう。あるいは、券売機から取り出すのを忘れたか... あきらめて、正直に切符を無くしたと言うしかない。まわってきた係員にアイボーがドイツ語で「買ったんだけどなくしちゃったみたい」といったら、笑って「いいよいいよ」といって見逃してくれた。話によるとドイツバーンの係員は厳しいことで有名で、見逃してくれることなんてめったにない(それどころか、ソデノシタを渡したら見逃してやるぞと脅迫してくる係員もいるとかいないとか)らしい。まあ、僕は明らかに「東アジアから来ました」っていう顔をぶら下げてあるいているから、はるばるやってきた観光客を絞っても仕方ないとでも思ってくれたのだろう。

さて。そうこうするうちに空港に着いたのだが、今回はKLMを利用したのでターミナルが鉄道駅から遠いというおまけ付き。連絡用のなんか変なモノレールみたいなのに乗らなければならない。小さいスーツケースを引きずりながら駆けずり回って、ぜえぜえいいながらカウンターに着いた時には当然のようにチェックインは終わってた。しかし、離陸までには20分以上あったので「no guarantee だけど、搭乗口まで走っていってみてください」といわれる。こっちが急いでいると分かってるのか分かっていないのか分からないけど、妙にとろとろとしているセキュリティーのスタッフにいらいらしながら搭乗口まで走っていくと、ちょうど搭乗が終わるか終わらないかというところだった。搭乗口でボーディングパスを出してもらって無事飛行機に乗り込む。ああ何とか間に合った、波乱含みだね、などとアイボーと言い合っていても、飛行機は離陸時間まで15分もあるのでなかなか出発しないのだった... ツいていないのか、ツいているのか微妙な感じの旅の幕開け。

空港に降り立って、電車に乗って30分ぐらいでアムステルダム中央駅についたのはもう6時になろうかという頃だったと思う。
Ams01.jpg
雨も降っているし、暗いしなので、トラムに乗って手っ取り早く宿に行くことにした。

宿は値段の割にはへやのきれいなところだった。中央駅のツーリストインフォメーションで入手した情報誌をみていると、ムジークゲボーで演奏会があるとわかったので、チケットが買えるようならいってみようかと言う話になる。チケットがまだ買えるか、コンシエルジュに電話してくれるように頼んだのだが、彼はホームページを見て「チケットの締め切りは前日までなんじゃない?」とか言う。われわれが「うーん」といって立ち去る様子を見せなかったからか「じゃあ電話してみようか」といってかけてくれたが、どうも先方がでない様子。とりあえず駄目もとでホールまで行ってみることにした。
Ams02.jpg
ムジークゲボー(Muziekgebouw)は比較的最近中央駅近くの川べりに出来たコンサート用のホールで、いろいろなプログラムをかけているようだが、ドイツに比べるといわゆる「古楽」のプログラムが多いのはさすがアムステルダムといったところだろうか。この晩のプログラムはイギリスの王室とゆかりのある音楽(後期ルネサンス、パーセル、ヘンデルなど)で、演奏の団体はこのホールを根拠に主にバッハのカンタータなどを演奏しているグループのようだ。キャンセル待ちの整理券をもらって、開演30分前にチケット売り場に戻ってくれば聞けるかも知れないという話だった。

この間の時間を使って中央駅で晩ご飯を調達することに。中央駅までトラムに乗っていってサンドイッチを買ったはいいが、中央駅前のトラム乗り場が複雑過ぎる上に工事中で、ムジークゲボーに戻るトラムにどこから乗っていいのか分からず右往左往するはめに。冷たい雨が降っていて体は冷えきってくるし、時間的にも限界が近づいてきたので、結局ホールまで歩いて戻ることにした。最初は熱々だったコーヒーもこの間にすっかりぬるくなってしまった。

結局チケットを手に入れて、演奏会を聞くことが出来た。
Ams03.jpg
変なホール... この赤いのはなんですか.... 演奏の感想を書くなら、あまり感心しなかったということになる。器楽声楽ともに技術的な水準は十分高いし、特に弦楽器の最近の流行とおもわれる端正で直線的な表情は、同じくアムステルダムを根拠地とするコープマンのアムステルダムバロックオーケストラとの差別化なのかなぁと思わせるほど。しかし、それ以上の何かがあまり感じられない。何よりも、指揮者の勘違いっぷり、タコ踊りぶりが癇に障る。最初から最後まで動作が変な風に大げさ過ぎるし、大げさなのはまあいいとして、徹頭徹尾アーノンクールの悪いところだけ真似しましたみたいなあまり音楽の聞こえてこない動作を繰り返すのはやめて欲しい。自分がもしあの指揮者で演奏しなければ成らない立場なら、「早く演奏会終わらないかなぁ」と思いながら弾きそうな感じだった。良かったところはといえば、休憩時間に無料でワインが出たことぐらいだったろうか...

この日は演奏会の後は宿に戻っておとなしく就寝。(つづく)

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コメント 1

iso

先日はどうもありがとうございました!
やっと家に帰ってきました.グラーツは既に沢山花が芽吹いて春ですっ!
マインツ,楽しかったなあ.


近いうちにもう一度くらい行けたらいいな.
もしよかったら,近場の演奏会だの誘って教えてください.
というか,カーニバルのマインツしか知らないのも,ちょっとなんですし,ね.


ドイツの電車は結構トラブルがよくおこるのですね.
フランクフルトに滞在中の3週間に,3回電車トラブルに遭遇でした.
まあ,乗っている頻度の問題もあるでしょうけれど.

チケットコントロール,ドイツは結構あると聞いてますが...
少なくとも,ベルリンやフランクフルトの市内は,結構な頻度で来ますよ.
そして,お金をとれそうなアジア人を特に狙ってきます.

という訳で,まあ,気をつけましょうってことですね.




by iso (2009-03-14 21:14) 

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